第7回実技(論述)試験公開アドバイス第1問目、第2問目
■ 第7回実技(論述)試験公開アドバイス第1問目、第2問目
2級キャリア・コンサルティング技能検定合格対策講座講師の橋谷です。
メルマガ読者に向けて実技(論述)試験の公開アドバイスをしますと書いたところ、2名の方が応募してくださいました。
お二人とも、違う回の回答を下さったので、それぞれアドバイスをさせていただきたいと思います。
まずは、第7回実技(論述)試験の第一問目から。
現在、アルバイトで宝飾店の販売員をしており、正社員にとお声かけして貰った。
正社員は月給や社会保険等の保障があり、いい話だと分かっているものの、今の働きかた(自分の好きに時間を使えることや働いた分だけお金を貰えること等)が気に入っており、正社員への決断ができずに、迷っている。
正社員にと声をかけてもらって、相談者が考える正社員のいい点、今の働き方(アルバイト)の気に入っている点は、問題の逐語記録からしっかりと抜き出されていますね。
けれど、その次「正社員への決断ができずに、迷っている。」については、いかがでしょうか。
問題文のCC2で、「正社員になるお誘いがあったけれど、決断しかねていると言うことですね。」という言葉に対して、次のCL2は、どう返答しているでしょうか。「そうなんです。」と同意して言ってくれているでしょうか。
いい話だと言うことはわかっているが、今の働き方も悪くないと思っている。と、迷っていらっしゃいますよね。
ということは、正社員への決断が出来ずに迷っているというよりは、正社員への話はいい話だとわかっているが、今の働き方も悪くないので、どうしたらいいか迷っている。のではないでしょうか。
また、CL3で「・・・正社員が損しているように思えて気の毒・・・」、CL4で「・・・事務的な作業が大変そうです。」、CL5で「・・・正社員の働き方がよく分からないんです。」と、正社員の働き方がわからないというところも、相談者は問題だと感じているかもしれませんね。
・正社員のメリットは分かっているが、現在のお店での正社員の働く様子を見て、自分には出来ないのではと思いこんで決断できないこと。
・正社員のなると事務的作業があり、不安で自己決定出来ないこと。
キャリア・コンサルタントが考える相談者の問題を2つ挙げてくださいました。
まず最初の問題は、「正社員は自分には出来ないと思い込み決断が出来ないこと」。もう一つは、「事務作業が不安で自己決定できないこと」
二つとも自己決定できないことを、あげていらっしゃいます。
見立てとして自己決定が出来ないことは、間違いではないとワタシは考えます。
しかし事務作業が不安だから自己決定できないとすると、少しずれてきます。自己決定できない原因は、事務的な作業の不安だけではありませんよね。
また、正社員が出来ないのではないかと思い込んで自己決定できないというのも、少しずれています。
正社員が出来ないと思い込んでいるわけではなくて、正社員とアルバイトどちらも利点があって決めかねているのですよね。
もじ自己決定をあげるのであれば、自己決定自体が間違いではないが、自己決定をあげた理由は、少しずれているのではということになるのではないかと思います。
あと、この回答だと問1の相談者の問題も決断が出来ず迷っていることであり、問2のキャリア・コンサルタント視点の問題も自己決定できないことになり、結局同じことになりますが、それで大丈夫でしょうか。
キャリア・コンサルタント視点の問題点は、これ以外にも色々あります。
複数あった中で、どれを最初の(大きな)問題点と考えて、次のプロセスで解決に向けていくかになります。
問3は、また別に書くことにします。